NScripter のゲームをブラウザー上で安全に遊べる NscPlayer
ノベルゲームの開発ツールはいろいろありますが NScripter もそういったツールのひとつです。古くからあり有名なゲームがいくつも作られています。BASIC 言語に似た文法のプログラムをテキストエディタで作成します。プログラムを書けば、いろいろと凝ったことができたり、プログラムの一部に Lua 言語を使用することもできます。
NScripter は、Windows 専用ですが、NScripter で作られたゲームを、そのまま実行できる互換エンジン ONScripter があるためさまざまなプラットフォームで動作します。
今回紹介する NscPlayer も ONScripter のひとつで Google Chrome 用にコンパイルした ONScripter を利用しています。
マルチプラットフォームとサンドボックスが特長
NscPlayer はマルチプラットフォームとサンドボックスの特長があります。ONScripter には Windows/Linux/Mac OS X のプラットフォームで動作するものが存在しますが NscPlayer はひとつで Windows/Linux/Mac OS X、そして CPU が ARM であるパソコンでも動作する仕様です(動作検証を行っているのは Windows/Linux のみ)。
Google の PNaCL 技術によりサンドボックスで動作するため、欠陥があるコードや悪意のあるコードであっても安全です。
ゲームをインストールできないパソコンしか持っていない利用者でもゲームをすることができます。最近ではインターネットバンキングのウィルス被害が大きくなっているためますますゲームをインストールできないパソコンが増えると思われます。
多くのゲームで遊ぶことができます
NscPlayer の互換性は完全ではないので NscPlayer 用に修正する必要があるゲームは多いですが、なんの修正もなく動作するものもあるので、現時点でも遊べるゲームがたくさんあります。またゲーム開発者が NscPlayer での動作をだいたい確認しているゲームもあるので安心してできます。
Chrome アプリにすることも
NscPlayer は広告が表示されますが、PNaCL ONScripter により Chrome アプリにすれば広告表示されず、普通のアプリケーションのようにゲームを作ることができます。
Chromeアプリにしたゲームの例
NscPlayer と Chrome アプリの違い
Chrome アプリ
- 広告が表示されない
- 複数のアプリがインストールできる
- セーブデータを移動できない
- 5ドルを Chrome Web Store に支払う必要がある
NscPlayer
- 一度に複数のゲームはできない
- セーブデータを他のコンピュータに移動できる
ゲームを開発するには
Nscripter の サイトでツールやマニュアルをダウンロードします。ここにあるマニュアルより非公式マニュアルのサイトや解説サイトがいくつもあるのでそちらのほうがわかりやすいかもしれません。
私は使ったことがないので便利かどうかわかりませんが「Nスクパッド」という Nscripter 専用のエディタが Vector からダウンロードできるようです。
オリジナルの NScripter と非互換な部分を説明したページがあるのでそちらも参照してください。
NscPlayer のエンジンは、ONScripter をベースとしているため ONScripter on Android や ONScripter on iOS などを使ってスマフォに対応することが容易なはずです。ONScripter のサイトもチェックしてみましょう。
関連サイト
Nscripter 高橋直樹 様
ONScripter
最後に
NscPlayer を最初に導入してくれた 赤染イスズ さん、まだあまり知られてない時から全力で応援してくれた 杜若 あひるさん、お薦めの作品「BluePrints」の作者の infinity-S さん、BL 作品2つを対応していただいた うみのさち さん、応援いただきありがとうございました。
この記事は、NscPlayer 開発者の IdleTime 管理人 さんに書いていただきました。